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生体適合材料開発部門

企画・戦略部門と連携し
主に生体適合材料に関する
研究を実施

企画・戦略部門と連携し、主に埋め込み型医療機器に必要な生体適合材料(外科手術用クリップ・ステープル・ステントや放射線治療用マーカーに適用可能なマグネシウム合金・亜鉛合金など)のニーズ提供・開発・評価を実施します。

研究トピック

生体内分解性インプラントに関する研究

金属材料は長期間にわたり高強度を維持するため、事故や疾患により治療が必要となった生体組織の支持および固定用のデバイスなどとして、医療現場で数多く使用されています。 例えば、チタン合金は強度、耐食性、生体親和性が高く、組織固定用のクリップ、骨接合プレートや人工股関節などのデバイスへ適用されています。 一方で、生体組織が修復された後には人工デバイスは不要であり、CT撮像に支障を生じることや炎症の原因となってしまうことから、 時間の経過と共に生体内で分解され、体外に排出される生体内分解性デバイスが最近注目されています。そこで、この研究課題では生体必須元素であり、生体内分解性を示すマグネシウムおよび亜鉛に着目して、組織固定用デバイスなどへ応用するための研究を実施しています。具体的には、デバイスの材料と形状についての最適設計、モデルデバイスの試作、医学研究者との共同実験による性能検証などを実施しています。

メンバー

向井 敏司 教授、池尾 直子 准教授

生体適合性ソフトマテリアルに関する研究

生体適合性材料は、多様化する医療現場の要求を満たす上で益々重要性を増しています。医療用途に合わせて材料形態を溶液、ゲル、結晶・非晶固体などに自由に設計することができれば、その波及効果も大きくなると予想されます。 例えば、難水溶性薬物を溶解する水溶性の溶解剤、腫瘍組織に応じて設計された標的指向性の高いナノ粒子、術後の組織癒着防止に鑑みたin situゲル化能を有する高分子溶液、力学特性に優れかつ細胞から組織への分化誘導能に優れたヒドロゲルなどは、医療現場の要求に応じて材料設計することが理想的です。そこで、これら医療現場への波及に鑑みた、生体適合性材料の合成から機能評価までを行い、バイオマテリアルとしての意義を追求しています。具体的には、天然多糖を組み合わせた自己修復ゲル、相分離現象を利用した生理活性分子の安定化と放出制御、超分子構造を有するナノ粒子・溶液、および生分解性材料などの開発を進めています。

メンバー

大谷 亨 教授

金属系生体材料の疲労強度評価に関する研究

医療機器として、人工関節やボーンプレートなどに金属系生体材料が多く使われています。金属材料では小さな力であっても繰返し作用するとやがて破断する疲労という現象が現れます。飛行機や鉄道などの構造物では疲労が生じないように、使用する材料の疲労に対する強度を評価して使用されています。生体内では大気環境と比べて、化学的および生化学的因子の影響により、疲労強度が低下します。長期間にわたって金属系生体材料を安全に使用するためには、生体環境下での材料の疲労強度を評価する必要があります。本研究では、赤外線サーモグラフィや放射光CTイメージングを用いて、疲労き裂の進展特性の評価やき裂の発生メカニズムの解明に関する研究を実施しています。

メンバー

塩澤 大輝 准教授

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