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診断機器開発部門

企画・戦略部門と連携し
主に診断系医療機器に関する
研究を実施

企画・戦略部門と連携し、主にクラスIIの管理医療機器に該当する診断系医療機器(画像診断装置、生体現象計測機器、生体情報モニタ、検体検査機器など)のニーズ提供・開発・評価を実施します。

研究トピック

血流数値シミュレーションに関する研究

血管中の血液の流れを数値シミュレーションで調べる研究を行っています。左図はTOF-MRA画像から再構成した脳動脈瘤モデルを用いて流れをシミュレートした例です。脳動脈瘤は破裂するとくも膜下出血を引き起こし、高い確率で死亡してしまう、あるいは後遺障害が残ってしまう危険があります。そのためクリッピングなどの手術が施されますが、なかには成長しにくい動脈瘤もあり、成長のしやすさや破裂の危険性と血流との関係を把握できれば、患者負担の大きい手術の必要性をより正確に見極められる可能性があります。本研究では、神戸大学医学部脳神経外科 甲村英二教授・木村英仁助教のグループと連携して脳動脈瘤近傍の血流を把握するための数値シミュレーションツールの開発・応用に取り組んでいます。

メンバー

冨山 明男 教授、林 公祐  准教授

生体流れの計算バイオメカニクスに関する研究

血液の流れや呼吸、食物の消化など、生体要素の役割は流れと密接に関係しています。流れの小さな変化が病気の原因となることも少なくありません。しかしながら、生体内の流れを実験的に観察することは困難です。我々は、生命現象を力学法則に基づいて数理モデル化し、大規模な数値シミュレーションによって、生体の機能や病気のメカニズムを解明しようしています。生体内の流れは複雑です。例えば、血液は赤血球を始めとする細胞の懸濁液であり、胃や腸の中を輸送されるものは固体・気体・液体全てからなる食物です。流体力学だけでなく、固体力学や生化学を連成し、統合的な力学場として解析する必要があります。我々は、世界最先端の数値解析技術を駆使してこれを実現し、消化器系の生体流体力学、マラリアやがん転移の計算バイオメカニクスなどの研究分野を開拓しています。

メンバー

今井 陽介 教授、石田 駿一 助教

選択的抗ガン活性を示すゲルに関する研究

私たちは世界で初めて、ガン細胞の選択的死滅(抗ガン活性)を合成分子(低分子ゲル化剤)の細胞内での自己組織化(ゲル化)により達成可能であることが示しました。従来の生理活性物質(抗がん剤含む)のほとんどは、薬剤分子単体で阻害効果等の薬理活性を示しておりましたが、単体では特段の機能も示さない分子が集まり、細胞内で自己組織化することで新たな生理活性を生み出せることがわかってきました。このことは、創薬や疾病治療においてこれまでと大きく違ったアプローチが可能であることを示唆しております。
現在私たちはこの低分子ゲル化剤をさらに発展させ、より高いガン選択性かつ副作用の少ない抗ガン活性を目指して研究しております。またガンのみならず、ゲル化を用いた選択的な抗菌活性の作出等も研究し、合成分子によるゲル化あるいは合成分子の自己組織化による新たな生理活性創出を目指しています。

メンバー

丸山 達生 教授

体内埋め込み型医療機器用ワイヤレス給電システムに関する研究

ペースメーカーや除細動器、薬剤注入ポンプ、生体情報自動計測器など、体内埋め込み型医療機器の多様化に伴い、これらを取り出すことなく、体外から非侵襲で給電する技術の確立が求められています。誘導コイルを用いた磁界共鳴方式の開発事例が多くありますが、比較的短い距離で医療用として大電力が伝送可能である反面、高周波誘導電流による皮膚のやけどなどの健康被害や、電磁ノイズによる周辺機器への誤動作といった電磁波障害が指摘されています。そこで、本研究では人体に優しい超音波振動方式を採用し、組織を介して圧電正・逆効果を利用しながら非侵襲にて体内の医療機器へ給電する技術の開発を目指しています。特に、圧電素子の持つ固有の無効電力成分を打ち消し、電力伝送能力の向上を促す電気的共振現象を組み入れた新しい超音波振動方式のワイヤレス給電システム(Ultrasound Wireless Power Transfer; UWPT)を独自に考案して、その実用化を目指して研究開発に取り組んでいます。

メンバー

三島 智和 准教授

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